飛島建設首都圏建築支店建築部の佐藤利明さん(39)が、第56次南極観測隊(夏隊)に派遣されることが決まった。出発を前に18日、本社で記者会見し、「風力発電装置の建設など課せられた使命に全力で取り組む」と決意を表明した。25日に日本をたち、帰国は来年3月21日の予定。昭和基地での活動は57日間を予定している。
佐藤さんは支店の建築部に所属。南極観測隊への参加は前回の第55次に続いて2回連続となる。汚水処理関連工事や防水工事など、前回からの継続作業が多いことなどから、経緯を知る佐藤さんへの連続参加の要請があったという。
自身は機会があれば参加したい気持ちが強かったので「家族に理解してもらうことが大変だった」と語る。南極での活動を心配する家族も、最後は「応援してくれました」とほっとした表情を見せた。
56次の建築・土木部門の作業計画は、汚水中継小屋建設・放流管埋設、風力発電装置建設、第2車庫兼ヘリ格納庫建設、自然エネルギー棟オーバースライダー改修、コンクリートプラント運用(第2車庫基礎、基本観測棟捨てコン)、光学観測棟防水、コンテナヤード補修など多岐にわたる。他の隊員に手伝ってもらいながら、自身も作業員として期間内での工事完了を目指すことになる。
今回は高所作業も多く「手伝ってもらう隊員の安全を最優先に、効率的な工程管理に努めたい」と話す。前回に続いての参加となるため知っている隊員が多く、「良好なコミュニケーションなど円滑な作業環境が期待できる」ことも利点になりそうだ。
同社は国立極地研究所の要請を受け、1994年から毎年、設営部門に技術者を出している。今回の派遣で16人目(延べ21人)となる。
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