2014年11月6日木曜日

JR東日本/鉄道博物館(さいたま市大宮区)に新館建設/本館も全面改修へ

 JR東日本は、さいたま市大宮区にある鉄道博物館のリニューアル事業に着手する。既設の本館を全面改修するとともに、本館の南側に新館を建設する計画。展示面積は約1万4800平方メートルとなり、現在の約1・5倍に広がる。総事業費約80億円を投じて、博物館開館10周年、同社設立30周年の節目となる17年10月ごろのリニューアルオープンを目指す。冨田哲郎社長は5日の会見で「新しい博物館では最新の音響、映像、IT技術を積極的に導入し、鉄道産業の歴史・文化と未来の姿を発信していく」と述べた。
 鉄道博物館の所在地は大宮区大成町3の47。JR大宮駅の北側に近接し、埼玉新都市交通ニューシャトルの鉄道博物館駅と直結している。
 07年秋に開業した本館はS造4階建て延べ約2万8300平方メートル(展示スペース約1万平方メートル)の規模。新たに整備する新館はS造5階建て延べ約8500平方メートル(同約4800平方メートル)。新館と本館リニューアルの設計は、JR東日本上信越工事事務所が担当。施工者は未定。着工時期など詳細を今後詰める。
 新館では全館を貫く吹き抜け空間を生かした環境負荷低減システムを導入。トップライトや壁面から自然光を多く取り込むことで照明の消費電力を低減するとともに、空間上部にたまる暖気を排気・回収して空調の負荷低減につなげる。シースルー太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーも積極的に活用する。
 新館の1~4階に鉄道の「仕事」(運転士・車掌や設備メンテナンスの仕事などの体験型ミュージアム)、「未来」(未来の鉄道世界に入り込む創造型ミュージアム)、「歴史」(明治から平成までを六つの時代に区分し、鉄道の姿を解き明かす発見型ミュージアム)、「旅」(食や風景など鉄道の旅を疑似体験できる実感型ミュージアム)をそれぞれテーマにした展示ゾーンを配置。5階にレストランを設ける。
 本館には「車両」(最新のICT技術を用いた体感型ミュージアム)と「科学」(鉄道のしくみをわかりやすく理解できる実験型ミュージアム)の展示ゾーンを配する。
 両館は2階に連絡通路を設置。本館では大型の鉄道模型ジオラマを全面的に作り直すほか、キッズスペースやカフェテリアを新設する。

新館の完成イメージ

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