◇四つの事業手法を比較検討◇
山梨県の総合球技場基本計画検討委員会(会長・清水一彦山梨県立大学学長)は20日、甲府市の小瀬スポーツ公園で予定している総合球技場建設計画の報告書をまとめた。
設計や監理、外構整備などを除いた施設整備費を110億~120億円と試算。事業手法はPark-PFI(公募設置管理制度)など4案を比較検討し選定する。報告書は28日に長崎幸太郎知事へ提出する。具体的な整備スケジュールは県の財政などを考慮しながら決定するとしている。
建設地は小瀬スポーツ公園第3駐車場(下鍛冶屋町)。敷地面積は買収予定面積を含めて約5万7000平方メートル。建築面積は約1万5000平方メートル。メインスタンドは5階建て、サイド・バックスタンドは2階建てで、延べ床面積は約3万2000平方メートルとした。
基本のフィールド寸法はサッカーやラグビー、アメリカンフットボールに対応可能な84×124メートル。観客席は一般席が約2万席、VIP席やビジネス席は500席以上を想定している。全席を屋根で覆い、背もたれ付き・個席化を図る。
VIP・ビジネスエリアは会議やパーティー、レセプションなどでの利用を見込む。実現すれば国内のサッカースタジアムでは最大規模のVIP・ビジネスエリアとなる。付帯施設としてトレーニングジム、芝生練習場、ランニングコースなど県民が利用できる機能も整備する。
事業手法は▽DBO(設計・建設・管理)▽PFI-BTO(建設・移管・運営)▽DB(設計・施工一括)+コンセッション(公共施設等運営権)▽Park-PFI-の4案を比較検討し選定する。
想定スケジュールは事業者公募手続きと審査・選定、契約協議などの期間が18~24カ月、事業者による基本・実施設計期間が12~18カ月、施工期間は24~30カ月程度と見込んでいる。
並行して代替駐車場の確保、都市計画手続き、用地の買収・測量などを進める。PPP事業の導入に当たっては、十分な選定期間を確保する方針だ。
施設整備費は設計、工事監理、外構整備費、代替駐車場整備費、用地買収費などを除き、現在の建設物価で試算すると110億~120億円。設計・施工一体などによる効率化や、民間事業者間の競争などで整備費の低減が期待できるとしている。運営や維持管理などの収支を試算した結果、実質的な県の負担金額は年間5000万~8000万円と見積もっている。
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