中国東北部で進められた巨大ダム(大豊満ダム工事)に従事した技術者が中心となって会社を興し、1949年に誕生した大豊建設。土木ではダムや橋梁、高速道路などを得意としており、技術力を発揮している。
建築では、マンション工事や福祉・教育・商業施設、物流倉庫、工場など多岐にわたる施設を手掛ける。設計・施工の双方で国内外の多数の賞を受賞している。
今月31日には創立70周年の節目を迎える。本社ビルではリニューアル工事が終わり、働きやすく魅力的なオフィスに生まれ変わった。
管理本部人事部人事課の堀川順子氏は、「学生時代に『負けずにやり切った』と思えるものを持っていて、やる気のある人に来てほしい」と求める人物像を語る。創立100周年に向けて、会社の中心人物になっていくような人材を見つけて育てていくことを目指している。
そうした人材を呼び込むために、学生や大学、一般市民らの認知度を高めることにも力を入れている。業界セミナーや現場見学会を積極的に実施しており、就職活動サイトが主催するイベントや技術フォーラムにも参加して知名度アップに努めている。いろんな場面で出会った学生をインターンシップ(就業体験)や会社説明会に呼び込み、学生との接触回数をできるだけ増やして、入社意欲を高めていく方針だ。
内定後に、「本当にこの会社に入社すべきか」と学生に迷いが生じるケースもある。個別に話を聞くために面談を行ったり、社内行事や新聞掲載記事を知らせたりと内定後のフォロー活動にも力を注ぐ。「一人一人に誠実に対応することで、会社としての信用も出てくる。学生との出会いを大切にして、誠実に対応していくよう心掛けている」と堀川氏は話す。
若手社員の研修プログラムも拡充している。昨年までは本社研修を1週間としていたが、今年4月からは期間を延ばす予定だ。座学や、鉄筋・型枠・足場・測量の実習、CAD、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)などの基礎力を固めてから現場に送り出すやり方に改める。入社半年後にはフォローアップ研修を行い、同期が集まる場を設ける。悩みや今後のキャリアプランなどを共有する機会にしてもらう。
社員同士の仲が良いことや、相談しやすい環境が整っていることが同社の強み。社内の雰囲気を知ってもらい働くイメージを高めてもらうためにも、会社訪問などを積極的に受け入れている。
一人に任される業務は多岐にわたる。そうした環境だからこそ、若手の成長も早く、場合によっては30代後半で所長に就任するケースもある。若いうちから現場を動かすことができることが、やりがいや醍醐味(だいごみ)にもつながっているそうだ。
堀川氏は、「これだけは譲れないという軸や、働く目的があれば簡単に辞めることはない。そこを意識して会社を選んでほしい」と学生にアドバイスする。
《新卒採用概要》
【新卒採用者数】 男性36人(うち技術系34人)、女性5人(うち技術系1人)(2018年度実績)
【3年以内離職率】13・8%(16年度新卒)
【平均勤続年数】 男性19・7年、女性11・6年(18年12月末時点)
【平均年齢】 44・8歳(18年12月末時点)
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