2019年3月25日月曜日

【凜】東京都下水道局建設部・竹内真悠子さん


 ◇やりたいことは今やる◇

 大きな機械に心が引かれるという。東京都下水道局に入った1年目は、下水道施設を回り、機器類の点検に明け暮れた。当時はベテランの先輩が大勢いて「やってみろ」と言われて、不具合の出た機械の修理や補機の交換などさまざまなことに挑戦した。

 お世話になった先輩が定年退職で職場を去った今、「職人気質の人たちと接することができた最後の世代だったのかもしれない」と当時を懐かしく感じる。

 今は現場を離れ、設計書のチェックや発注段階の事務処理などを担当する。「実際に下水道の機械に触った経験がないと、現場に適した設備設計が分からない」。今の仕事でも現場経験が役に立っている。

 多趣味だが共通しているのは「人がつくったものが好き」なこと。機械設備だけでなく土木にも興味があり、建設局の研修に参加することもある。はにかみながら「研修も趣味の一つかもしれない」と話す。

 人生観が変わったのは環境局に在籍した時に起こった東日本大震災だ。2011年の3月末から4月初めまで被害の大きかった宮城県石巻市に入り、家屋の被害調査を支援した。人の営みを根こそぎ奪い去る災害の残酷さを目の当たりにし、「先延ばしにするのではなく、やりたいことは今やろう」と心に刻みつけた。

 これからも自分の気持ちに正直に、好きなこと、やりたいことに挑んでいく。

 (設備設計課、たけうち・まゆこ)

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