2018年7月19日木曜日

【ホームや駅舎新設、バリアフリー化も】千駄ケ谷駅、五輪開催に向け改良工事進む

 2020年東京五輪・パラリンピックの競技会場に隣接する鉄道駅の整備が最盛期に入ろうとしている。JR東日本は20年までに500億円を投じ、都内の7駅を改修する計画を打ち出している。

 建設中の新国立競技場の最寄り駅となる千駄ケ谷駅(東京都渋谷区)では、大会期間中に利用客が大幅に増えることを見据え、ホーム新設やバリアフリー化といった工事が進んでいる。

 JR東日本は17日、同駅で改良工事の現場を報道に公開した。クレーンでつり上げたコンコース用鋼管柱の据え付け作業などが行われた。工事は土木と建築に分けて行っており、いずれも施工は東鉄工業が担当。整備費は70億円。20年春の完成を予定している。

 改良工事では現在使用していない臨時ホームを撤去して延長210メートル、最大幅9メートルの新宿行き専用ホーム、駅舎などを新設する。改札機は現在の8台から最大13台に増設。ホームドアも整備し、利用者の安全確保を図る。現在の進捗(しんちょく)率は50%ほど。新設するホームは約70メートルができあがっている。

 ホーム新設の現場は首都高速道路に近接しており、作業ではクレーンが道路に接触しないようにするといった配慮が必要になる。JR東日本東京土木技術センターの秋山保行所長は「作業環境が狭い上に、終電後の2時間半で作業を進めなくてはならない。電車の運行に支障がないよう、注意して進めている」と話す。

改良完了後の千駄ケ谷駅のイメージ(提供:JR東日本)
新宿建築技術センターの戸邉学所長は「両ホームに設置するエレベーターは定員を11人から24人に増やした。新国立競技場の最寄り駅としてバリアフリーの基準を満たした駅にする」と意気込みを語った。

 現場を指揮する東鉄工業の宮田健太郎土木部次長兼土木部工事所所長は「駅利用客の通行中の作業もあるため、利用客に配慮しながら安全に完成を迎えたい」とコメント。小林博東京建築支店工事部千駄ケ谷工事所担当所長は「短い作業時間中に効率よく進めるため、工期短縮の取り組みを積極的に採用していく」と話した。

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