◇現場に戻るために今がある◇
初の女性土木技術職として入社して11年目。「ものづくりの最前線に携わりたい」と現場勤務を希望し、施工管理を担当してきた。
「女性、男性のくくりは感じていなかった。目標とする人が上司や先輩にいたので、その人をお手本にしてきた」
2年前に転機が訪れた。自身5カ所目の現場にいた時に出産を経験。出産後も現場に戻りたいという気持ちは強く、上司にも「戻ってきていい」と言われたが内勤を選んだ。「出産前と同じ100%の力を発揮しないと現場は務まらない。現場は予期せぬトラブルへの対応がある。時間に制約がある育児をしながらでは難しい」。そう判断しての選択だった。
現在は本社の積算部門に所属。積算から学ぶ工事費の管理を現場に戻って役立てようと
いう思いで日々取り組んでいる。目指すのは作業所長だ。「周りの人が大きな現場をやっているのをうらやましく思う気持ちもある」。それでも「今しか見られない子どもの成長がある」と自分に言い聞かせる。
「育児はそれまでの苦労がすべて上書きされるくらい大変なこと。共働きの方は、もっと奥さんをねぎらって」と笑う。時短勤務制度の利用は子どもが小学生に上がるまで。「その時どんな現場があって、自分が必要とされるか。現場への復帰を考えるタイミングはそこかな」。
(技術センター係長、ふじおか・ともみ)
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