2018年7月26日木曜日

【海底トンネルの工事始まる】東京港臨海道路南北線整備、1号沈埋函の沈設着手

 関東地方整備局東京港湾事務所は26日、東京港臨港道路南北線(東京都江東区)の海底トンネル部分を構成する沈埋函(鋼殻)のうち、初弾の1号函沈設に着手する。作業は同日中に完了する見通しで、今後は2カ月おきの設置を計画している。19年度末の開通を目指す。

 24日に1号函の沈設に向け現場を報道陣に公開した。臨港道路南北線は、中央防波堤地区と東京都の有明側を結ぶ主道線として整備する。

 総延長は5・7キロで、海上部の延長が約931メートルとなる。コンテナ貨物の取扱量が増加する東京港エリアで、幹線道路の渋滞緩和や新しい物流ルートの確保を目指す。2020年東京五輪では関係者の輸送ルートとしての活用も想定する。

 沈埋函は7函で構成し、26日に沈設する1号函は中央防波堤地区の接続部と海上部をつなぐ。2~5号函を順次設置した後、有明側の接続部と連結する7号函を先に配置し、最後に6号函を設置する。沈埋函は延長134メートル、幅27・8メートル、高さ8・35メートルと国内で最長となる。

 作業では海上に浮かべた1号函を作業場所に移動させ、海水を注水して沈設する。函上部に設けられた高さ30メートルのタワーから方向を調整する。

 着底させた後、接続部に付けた引き寄せジャッキで函を引っ張り、密着させる。その後、接続部と函の間の海水を排水して接合する。2号函以降は既設函のジャッキで接着する。

 中央防波堤側の接続部と1号函の製造・築造工事は鹿島・東亜建設工業・あおみ建設JVが担当する。同事務所の辻誠治所長は「海底トンネルの設置は事業の大きな節目だ。完成すれば、周辺の混雑状況の緩和につながる」と語った。

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