2018年7月31日火曜日

【回転窓】ここが思案のしどころか

生活に欠かせない道路や橋などの社会インフラ。ダムは水の確保や治水、発電に重要な役割を果たし、都市の地下に造られる地下河川は洪水被害の軽減などに役立っている▼観光資源としてインフラを活用しながら、多くの人に存在意義を知ってもらうためインフラツーリズムが脚光を浴び始めている。施設を管理する公共機関と民間企業がタッグを組み、企画づくりに趣向を凝らす▼来月1日からは国土交通省関東地方整備局江戸川河川事務所、埼玉県春日部市、東武トップツアーズの3者が組み、全国で初めての有料見学ツアーが首都圏外郭放水路を舞台に始まる▼取り組みの狙いはさまざまだが、「地域の安全安心を守る施設を多くの人に知ってほしい」という思いは共通する。1日7回、毎日開催するツアーの申し込み状況を同事務所の担当者にうかがったところ、先週末時点で「6割程度」との回答。知名度が上がれば地下神殿を巡るツアーはきっと人気になるだろう▼社会インフラの必要性を懸命に説いても、理解してもらえない。そんな状況が変わりつつある中で、次の一手をどう打つか。今が思案のしどころだろう。

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