2018年7月17日火曜日

東京23区内の大規模建築計画/18年4~6月期、延べ1万平米超は15件/本社調査

 東京23区内で18年度第1四半期(4~6月)に公表された延べ床面積1万平方メートル以上の大規模建築計画は15件と、前年度同期より2件減少した。延べ床面積の合計は前年度同期比32・4%増の77万1244平方メートル。用途別では共同住宅が前年度同期から大幅に増加。江東区など臨海部の物件が目立つ。都区内での根強い住宅需要を背景に、「大規模な用地を確保でき、都心へのアクセスに優れるため」(大手デベロッパー)とみられる。
 「東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例」に基づき、4月20日~6月22日に都に提出された標識設置届を日刊建設工業新聞社が集計した。建築計画が最終的に決定し、近隣への説明や行政手続きに入った段階のプロジェクトが集計対象となり、公共機関が事業主体の建築計画なども含まれる。
 15件を区別にみると、中央区、江東区、大田区が最も多く各3件。港、文京の2区がそれぞれ2件で続き、目黒、葛飾の2区が1件ずつだった。
 建物の主用途別では、共同住宅が8件(前年度同期比5件増)、事務所が3件(2件減)、ホテルは1件(2件減)だった。学校施設、ごみ焼却場、倉庫がそれぞれ1件となっている。
 延べ床面積別では、1万~2万平方メートルが5件(2件減)、2万~3万平方メートルが2件(3件減)、3万~4万平方メートルが3件(3件増)、4万~5万平方メートルが1件(2件減)、5万~6万平方メートルが1件(1件増)、10万平方メートルを超える超大型開発が3件(2件増)だった。
 延べ床面積の合計を大きく押し上げたのは、東京都中央区の勝どき東地区市街地再開発組合が建設する再開発ビル。計画地は勝どき2、4の3・7ヘクタール。A1~3、Bの4街区で計画するビル群のうち、A1街区の「A1棟」と、A2街区の「A2棟」の2棟の標識設置届がそれぞれ提出された。A1棟はRC造地下3階地上58階建て延べ18万2190平方メートル、A2棟は同地下2階地上45階建て延べ13万8312平方メートルの規模。A3街区には新たな臨港消防署月島出張所(延べ約1200平方メートル)、B街区には地下1階地上29階建て延べ5万3350平方メートルの住宅主体のビルを整備する。
 設計はA1棟を鹿島、A2棟を清水建設が担当している。着工予定時期はA1棟が19年1月中旬、A2棟が同3月上旬。いずれも23年8月下旬の竣工を目指す。
 東急不動産、NIPPO、大成有楽不動産の3社が、東京・豊洲で計画する複合開発事業「豊洲地区1-1街区開発計画」も、標識設置届が提出された。計画地は江東区豊洲5の1(敷地面積2万4276平方メートル)。敷地の中央に住宅棟を整備する。建物は地下1階地上48階建て延べ13万9803平方メートル、高さ175メートルの規模。17年12月時点の計画によると、住宅棟の住戸数は1230。住宅棟の東側には保育所棟、西側には生活利便施設棟(いずれも2階建て)を配置する。設計は熊谷組が担当。9月の着工、22年3月の竣工を目指す。

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