2019年2月18日月曜日

【駆け出しのころ】前田道路取締役執行役員営業本部副本部長・大西國雄氏

 ◇逃げずに日々研さんを◇

 高校・大学時代はとにかくラグビー漬けの毎日でした。しかし、同じ夢を持ち、厳しい練習を逃げずに必死で耐えた仲間と過ごした時間は、人生で最も貴重な財産です。今でもラグビーを通じて多くの人とつながりがあります。何より前田道路に入るきっかけも、ラグビー関係者から体を動かし、額に汗して働く建設業が向いていると強く勧められ、入社を決意したことを覚えています。

 本社採用でしたが、東北出身で方言が抜けきらなかったからなのか、入社後31年間は東北勤務が続きました。営業所は家族意識が強く人間関係も温かい雰囲気がありましたが、日々仕事に追われ、苦労したのを覚えています。特に北国の東北では冬場の舗装作業が難しくなります。11~12月の忙しさを乗り越えるため、学生時代のラグビーの合宿を思い出しながら必死で仕事に励みました。

 若い頃は、先輩に「仕事は教わるのではなく、盗むものだ」と言われ、早く会社の一員として戦力になりたいとの思いを強く抱き、休むことより仕事を優先して頑張ったものです。しかし、そんな中でも大雨で作業を中断せざるを得ない、急な休みの時には仲間と酒を酌み交わしながら英気を養うこともありました。社会人になってからも30代前半まで地域のラグビーチームに参加していました。

 昨年、東京都内で行われたニュージーランドのラグビー代表チームであるオールブラックスと日本代表チームの試合を観戦しましたが、人混みがすごくてラグビーはプレーするものだと思いました。今年はワールドカップが開催されますが、テレビ観戦で応援しようと考えているところです。いつでも、どんなに仕事に追われていようとも、仕事のオン・オフの切り替えは不可能なことではないと思っています。

 昨今の働き方改革が推進される中、会社と社員は生産性の向上と業務の簡素化の狭間で少々難題も抱えていますが、若い社員のマンパワーは必要不可欠です。日々研さんを重ね、より良い環境づくりと向き合い仕事をやり遂げたいと思います。

 建設業は地味で厳しい仕事と思われがちですが、自分が携わる仕事が形となり、目にすることができます。社会的な役割と責任も非常に大きく、完成時に味わう達成感は格別で、次へのやりがいにつながります。

 健全なる精神は健全なる肉体に宿る-。企業に置き換えれば、「健全なる人材は健全なる会社に宿る」と言えるのではないでしょうか。地道な努力、訓練を重ねて自らを高める一方で、出会った方々との和を大切にすることも忘れてはいけません。

 信頼されて任された仕事で期待以上の成果で応えながら、仕事の輪も自然と広がっていくような持続的な事業環境を創出することに一層注力していきたいと思います。先人たちが築いた会社とその精神を継承し、さらなるレベルアップを図り、次代に引き継いでいくことが、これからの責務だと考えています。

入社8年目。社会人チームで参加した東北国体予選での一枚
(写真中央が本人)
(おおにし・くにお)1986年法政大学経営学部経営学科卒、前田道路入社。東北地方の営業所や合材工場、支店勤務などを経て2011年に東北支店長。18年から現職。青森県出身、56歳。

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