2019年2月27日水曜日

【話題の商品】大建工業・ホテル向け木質床材「コミュニケーションタフ防音」

 ◇インバウンド対応で需要拡大◇

 大建工業のホテル向け木質床材「コミュニケーションタフ(コミタフ)防音」の需要が増えている。インバウンド(訪日外国人旅行者)の増加を追い風にホテルの新築・リニューアル件数が伸び、需要拡大に寄与している。

 今年に入り既に前年比で3~4倍の引き合いがあるという。コストや機能性、室内の雰囲気づくりといった特徴を前面に打ち出し、コミタフシリーズの売り上げを3倍に引き上げる目標を掲げている。

 コミタフ防音は2016年に販売をスタート。外資系の高級ホテルを中心に導入実績がある。岩城克俊市場開発部開発1課長は「インバウンドの増加があり、今年以降の方が需要を見込める」と市場動向を見ている。全国の観光地を中心にホテルの新築や建て替え、リノベーションが東京五輪・パラリンピック後も見込まれるためだ。

 ホテルなどで防音仕様の床工事をする場合、コンクリートスラブの上に厚さ約150ミリの置き床を設置し、床材を敷くのが一般的という。コミタフ防音を使えば、置き床の厚さが15~16ミリで済むという。施工コストが削減でき、工期も短縮できる。床が低くなったことで相対的に天井が高くなり、客室に高級感が生まれる。建物の高さ制限を設けている観光地のホテルでは、建て替えの際などに高さはそのままで階数を増やすことも可能だ。

 床材は、木材組織にプラスチックを注入・硬化させた独自技術(WPC加工)で作られている。防音以外でも強みを持つ。岩城課長は「水に強く、汚れが付きにくい上、付いたとしても取りやすい。ホテルの運営側にとってメンテナンスが楽になる」と話す。キャリーケースの車輪跡や物の落下、ハイヒールによるへこみ傷も付きにくい。導入したホテルからは「『ヒールの跡がなく、とてもきれいだ』と評価された」(岩城課長)という。

 宿泊客のニーズにも応える。海外からの観光客は客室に日本の雰囲気を求めるケースが多い。コミタフ防音シリーズには、素材にスギやヒノキなど白が基調で日本特有の木材もそろえている。一方、日本人の宿泊客は、高級ホテルに和モダンを求めるケースが多いという。じゅうたんや畳ではなく、フローリングでニーズに応えることができる。

 岩城課長は「今はどのホテルもグレード感を高めつつある。高級ホテルでフローリングが採用されるとそれが波及する」と指摘。「今は外資系が主流だが、今後は国内資本のホテルでもフローリングが増えてくるのではないか」とし、市場動向をしっかりと分析し需要を取り込むための営業活動などに生かしていく方針だ。

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