空港方面に向かう電車でスーツケースを引いた若者たちを見かけた。2月中旬という時期から察すると、卒業旅行なのかもしれない▼JTB総合研究所によると、日本の海外旅行市場に変化が起きているという。年代別の出国率を見ると、主流だったシニア世代が減少している一方で、20代前半が上昇する傾向にある。雇用環境の改善や給与所得の上昇などが背景にあると考えられ、これからは若者が海外旅行のけん引役になると分析している▼自分が20代に旅したころは、拙い英語で尋ねながら目的地を探す場面が多かった。インドの山奥をバスで移動した時、「どこを走っているのかわかれば、もっと面白いのに」と思ったことも▼今はスマートフォンなどの普及で現在地や目的地が正確に把握できる。場所を記録できれば再訪も容易だ。知り合った相手とメールアドレスなどを交換すれば、リアルタイムでやりとりもできる▼そうしたツールは旅の在り方を変えるはず。世界に旅立つ若者は、今までとは違ったつながりや足跡を海外に残してくるのだろう。新たな事業や社会貢献が始まるような若者たちの出会いに期待したい。
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