2019年2月21日木曜日

【国土強靱化緊急対策が押し上げ】都道府県19年度予算案、投資的経費8兆円

 都道府県の19年度予算案が20日までに出そろった。11道県が知事選に伴う骨格編成または暫定予算となった。

 普通建設事業費などを含む投資的経費の総額は8兆0549億円。災害の復旧・復興に加えて、政府の国土強靱(きょうじん)化緊急対策を受けた取り組みに力を入れる自治体が目立ち、公共事業費・災害復旧費の合計値となっている福岡県を除くと、前年度を下回るのは13道県にとどまった。

 一般会計の総額は50兆7251億円で、投資的経費は約16%を占める。18年度は豪雨をはじめ自然災害が相次ぎ、政府は3年で約7兆円を投じる国土強靱化緊急対策の実施を決めた。19年度の投資的経費については、前年度から10%以上増加するのが16都府県ある。

 2018年7月豪雨で甚大な被害が出た広島県は、増加率が84%に達し、災害復旧費は前年度の約9倍となった。国土強靱化緊急対策を巡っては、群馬県のように同対策関連として149億円を起債し、県債の発行総額を増やしている自治体もある。

 都市基盤やインフラ整備に対する投資も活発化している。富山県は、防災対策に加えて環状道路や立体交差の整備など、佐賀県は23年に国体を控えていることもあり、投資的経費の増加率が2桁に達する。投資的経費が1兆3000億円を超える東京都の増加率は19・3%。豪雨対策など災害に強い街づくりを推進しつつ、20年東京五輪関連の施設整備に重点配分した。

 投資的経費が減少する13道県を見ると、岩手、宮城は東日本大震災の復旧・復興事業の進捗(しんちょく)などに伴って前年度を下回る。熊本県は、熊本地震関連として18年度までに計上してきた予算が8000億円を超えるものの、19年度は地震の復旧事業費が大幅に減少する。沖縄県は、沖縄振興一括交付金の減少が要因という。13道県のうち8道県の予算は骨格編成。知事選を控え、政策判断を伴う事業の計上を見送った自治体もあり、予算編成の行方が注目される。

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