昨年9月に襲来した台風21号の強風でタンカー船が衝突、損傷した関西国際空港連絡橋(大阪府泉佐野市)の修復桁(約188メートル)が完成した。
昨年9月4日の被災から約5カ月という異例の早さだ。西日本高速道路会社は5日、12~13日の夜間に行う架設に先立ち、IHIインフラシステム堺工場(堺市)と高田機工和歌山工場(和歌山県海南市)で製作された鋼箱桁橋を公開した。
タンカーが衝突した連絡橋の空港島付近は上部の左右に高速道路上下線、下部の中央を鉄道が通る2層構造。タンカーが直接衝突した高速道路下り線の橋桁2本は鉄道側に最大約4メートルずれるなどの被害を受けた。
西日本高速道路会社では、昨年9月12~14日に損傷した橋桁を2ブロック(A1~P1間、P1~P2間)に分けて撤去。2カ所の製作工場に搬入し、解体、桁製作、塗装、組み立てなどを経て1日に完成した。
IHIインフラシステムは損傷が大きかったP1~P2間(橋長97・8メートル、架設重量858トン)を新設。高田機工は下請として空港側のA1~P1間(同89・8メートル、同790トン)の製作を担当し、損傷が軽微だった一部の橋桁(約50メートル)を再利用した。
現地見学会で西日本高速道路関西支社の大原和章保全サービス事業部改築課長は「この規模の桁製作には通常1年以上かかるが、わずか5カ月という異例の早さで完成した。早期復旧に向け、施工者や材料メーカーなど多くの関係者にご尽力いただき感謝している」と話した。
12日夜間にA1~P1間、13日夜間にP1~P2間の架設を予定し、舗装や照明設置などの工事が順調に進めば3月中に対面通行規制を解除、上下線各2車線の4車線を確保する。ゴールデンウイークまでの完全復旧(6車線)を目指す。
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