2019年2月28日木曜日

【回転窓】シェアリングの波

スマートフォン向けアプリの高度化や高機能化を背景に、物やサービス、場所などを共有・交換して利用するシェアリングサービスの市場規模が急拡大している▼信頼性が高いプラットフォームも必須となるため、国際標準化機構(ISO)で、シェアリングエコノミーの国際規格を開発する技術委員会の設置が承認された。日本からの提案で、6月ころに技術委の第1回国際会議が開かれるそうだ▼既存の物の流通が増えることは、新たな商品を製造販売する事業活動にとって向かい風になるかもしれない。多くの人が新しい物を買うよりも安価なレンタルを選ぶようになれば、経済活動が低迷すると不安視する向きもある▼だが物事はそう単純でもないようだ。三菱総合研究所らの調べでは、スマホアプリで洋服や化粧品を取引する利用者の一部は、より高価格帯の商品を購入する傾向にあるという▼売ったり交換したりする機会が増えれば「安かろう悪かろう」ではなく、値崩れしにくい良質の商品やサービスのニーズが高まるかもしれない。シェアリングの波が広がる中、作る側も変化を意識した対応がより必要になるだろう。

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