群馬県富岡市が進めてきた富岡製糸場(富岡1の1)・国宝「西置繭所」の保存整備工事が完了し、10月3日にグランドオープンする。設計・監理は文化財建造物保存技術協会、施工は竹中工務店・タルヤ建設(富岡市)JVが担当。2015年1月に着工した。
富岡製糸場は1872(明治5)年に国内初の官営製糸工場として完成した。1987年の操業停止後、2005年に敷地が国の史跡、06年には創業初期の建物群が国の重要文化財(重文)に指定された。14年に重文のうち繰糸所、東置繭所、西置繭所の3棟が国宝になった。世界文化遺産の登録は14年6月。施設は富岡市が所有、管理している。
西置繭所は創業時に建設された2棟の繭倉庫のうちの1棟。木の骨組みにれんがで壁を積み上げる「木骨(もっこつ)れんが造」という方法で建てられた。2階建て延べ2974平方メートルの規模。長さが約104メートルあり、屋根は桟瓦ぶき。
保存整備工事では保存修理と耐震補強を実施した。施設を活用するため1階にハウスインハウス手法によるガラス張りのギャラリー(資料展示室)と多目的ホールを整備した。
西置繭所の保存整備工事は世界遺産登録後、本格的な保存整備工事の初弾となる事業。着工時期は未定だが次は東置繭所の保存整備工事に入る予定だ。
0 comments :
コメントを投稿