東京都が計画する葛西臨海水族園(江戸川区)の整備事業が始動する。都は16日、事業にBTO(建設・移管・運営)方式のPFIを適用するための実施方針と要求水準書案を公表した。
PFI法に基づく事業に特定した上で、2022年1月に入札を公告する。既存施設の「利活用の基本的考え方」も合わせて策定。「新たな水族館と有機的に連携しながら利活用していく」とした。
葛西臨海水族園の所在地は臨海町6の2の3。新施設を既存の隣接地に建設し、設備や展示ガラスの老朽化を解消する。現施設は1989年10月に開園した。新施設の規模は延べ約2万2500平方メートルを想定。総水量は約4600トンを計画している。都が昨年10月にまとめた事業計画によると、施設整備費(税込み)は244億~275億円。
事業名称は「葛西臨海水族園(仮称)整備等事業」。新施設の設計や施工、工事監理、建築物の保守・維持管理などを任せる。飼育展示業務などには指定管理者制度を別途採用する。
実施方針と要求水準書案に対する意見の提出期限は10月6日。アドバイザリー業務を手掛けるPwCアドバイザリーへのメールで受け付ける。入札公告後の22年4月に応募者と対話。同7月に提案審査書の提出を締め切る。落札者の決定は同9月を予定。同12月契約する。新施設の設計・建設期間は22年12月~27年9月を想定。28年3月の供用開始を目指す。事業期間は48年3月31日まで。
既存施設利活用の基本的考え方では、環境教育を基本に文化、観光、福祉などさまざまな分野での用途を検討するとした。設備更新やバリアフリー対応などで維持管理費が発生するため、建物が確実に保存できるような資金確保の制度構築を目指す。
今後は民間事業者へのヒアリングやサウンディング(対話)調査でさらに情報を収集する考え。水族園の機能を新施設に移した後、建築家の谷口吉生氏が設計した既存施設は、状態を確認して利活用方針を固める。
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