2021年9月6日月曜日

【駆け出しのころ】日比谷総合設備取締役上席執行役員LC営業統括本部長・享保裕彦氏

  ◇夢と情熱持って成長◇

 ものづくりに興味があり大学では建築学を専攻しました。建物本体に比べて更新サイクルが早く、先進的な機能の導入などで今後の発展性を感じたため当社に入社しました。

 東京での研修を経て九州支店に配属され、すぐに熊本のリゾートホテルの現場に勤務。そこで忍耐と根性を覚えました。朝一番に現場へ入って夜は最後に帰る日々が続き、次々と舞い込む雑用もこなさなければいけません。体力的にも本当にきつかったことを覚えています。

 入社1年目の終わりごろ、熊本市内の中低層住宅の現場代理人をいきなり任されます。分離発注の工事だったので、衛生設備の関係はすべて任されました。建築との調整など工程管理も含めてすべて自分で差配します。一人現場で決定権もあり、新人ながら現場で社長のような感覚を味わえました。現場代理人の醍醐味(だいごみ)といえるでしょう。

 知識も経験も足りない分、話を聞くことが何よりも大切なことでした。コミュニケーション力と調整力は仕事をするための基本であり、その点については新人ながらもうまくできたと思います。右も左も分からない状況でしたが、協力会社の方々など周りの助けを借りながら、必死に勉強してなんとか現場を収めました。苦労はしましたが技術者として仕事の面白みが実感でき、自信も付きました。

 九州支店時代の17年間に長崎と佐賀以外の九州各県で官庁、民間のさまざまな工事を担当しました。10年目ごろにもっと規模が大きな現場、グレードの高い仕事がやりたいという思いが強くなりました。自分を成長させることに人一倍貪欲だったと思います。

 担当した仕事に物足りなさを感じていた時、上司に「目の前の今やるべきことをきっちりやれば誰かが見ており、必ず道は開ける。腐って投げやりになるなよ」と諭されます。

 その後、副所長として担当した大学病院の建設現場は大規模で施工難度やスペックも高く、技術者として成長が実感できました。

 30代後半で横浜支店の現場支援に携わります。その後、東京本店に異動となり、さいたま新都心の新築現場に配属されました。地方は個人の力で現場を進めるケースが多かったですが、東京本店では組織力をより生かしながら事業に取り組みます。さまざまな部署から協力や応援を得られるのは、工事を円滑に進める上で大きかったです。

 吉田松陰の言葉「夢無き者に成功なし」にあるように、成功する人は間違いなく夢を持っています。若い人たちには夢や情熱を持って、何事にも積極的にチャレンジしながら成長していってもらいたいと思います。

入社1年目、新人研修で同期との仲も深まった(左側が本人)

 (きょうほ・ひろひこ)1984年広島工業大学工学部建築学科卒、日比谷総合設備入社。東京本店NTT本部工事部門長や中国支店長、LC営業統括本部長(現任)などを経て2021年6月から現職。宮崎県出身、59歳。

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