2021年9月28日火曜日

【回転窓】新聞記者の心得とは

  新聞記者の心得で最も大切なのは何か。組織や人によって考え方はさまざまだが「正確な情報を適切な表現で文章にして分かりやすく読者に届ける」ことは、最優先事項の一つだろう▼先日受けた研修で講師が「情報は人を通じて伝わることで必ず『ひずみ』が起こる。できるだけひずみを抑え文字にして読者に届けるのが新聞社、新聞記者の役割」と話していたのが印象に残った▼情報を正確に伝える上では“適切な表現”をいかに守るかがポイント。そこで悩みの種になるのがカタカナで書いた外来語の扱いだ。証拠の意味を持つ「エビデンス」、持続可能性が日本語訳の「サステナビリティ」・・・。ここ数年頻繁に使われるカタカナ語は枚挙にいとまがない▼文化庁が先週公表した2020年度の「国語に関する世論調査」では、コロナ禍に関連した言葉のうち「ウィズコロナ」は回答者の7割が説明や言い換えが必要と考えていたそうだ▼カタカナ語のすべてがそうではないが多くのケースは官公庁がいつの間にか使い始め世の中に広がる。意味を理解して表現できているか--。新聞記者の心得を忘れずに仕事と向き合いたい。

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