20年7月に出現した赤池(富士山科研提供) |
山梨県富士山科学研究所(山梨県富士吉田市、藤井敏嗣所長)は、富士山北麓に時折出現する幻の湖「赤池」の水質を調査した結果、出現要因が主に直近の降雨によるものであることが判明したと6日に発表した。これまでは出現場所から約1km離れた精進湖と地下でつながっている説が有力視されていた。今回の調査結果で定説を覆したことになる。
富士山科研と山梨大学大学院総合研究部、立正大学地球環境科学部が共同で調査した。2020年7月に出現した赤池の水を採取することに成功し、水質や安定同位体比を分析した。結果によると、赤池の水の安定同位体比が同時期に採取した精進湖の湖水と明らかに異なっていると判明。赤池出現後の降雨時に、赤池の水の安定同位体比が大きな変化を示したことなどから、赤池に流入する水が主に直近の降雨に由来すると突き止めた。
赤池は精進湖の南東約1km、富士パノラマラインの瀬之波橋の真下付近(富士河口湖町)に大雨が降ると出現する。過去40年で7回の出現が報告され幻の湖と呼ばれている。
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