2021年9月1日水曜日

【初期投資は3500億円】ハウステンボスIR、長崎県が優先交渉権者と基本協定締結

カジノオーストリアインターナショナルジャパンが提案したIR施設のイメージ
(長崎県提供)

  長崎県は佐世保市のハウステンボスへの誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の整備や運営を行う「九州・長崎特定複合観光施設設置運営事業」で優先交渉権者に選定していた「カジノオーストリアインターナショナルジャパン」と基本協定を締結し、設置運営事業予定者に決定したと発表した。同社の提案では大型MICE(国際的なイベント)施設や高級ホテルなどを計画。約3500億円の初期投資、年間延べ840万人の来訪者数を見込む。

 同社はオーストリアの「カジノオーストリアインターナショナル」が日本展開を目的に2017年に設立した。提案によるとIR予定区域である佐世保市ハウステンボス町6の1ほかの敷地約31ヘクタールを「東洋文化と西洋文化の融合」をコンセプトに開発する。

 施設のうちMICE施設は最大6000席の国際会議場、展示総面積2万平方メートルの展示場で構成。複数の屋内外施設からなる魅力増進施設、歴史や文化財、自然などを紹介する送客施設、コンサートホールやメディカルモールといった集客力の高い来訪促進施設などを設ける。

 宿泊施設は既存のホテルヨーロッパをリノベーションするほか、高層の高級ホテル、高級温泉旅館などを計画。カジノ施設はオーストリア風のデザインを採用し、IR全体延べ床面積の3%以下の規模とする。付帯事業として大村湾海上交通事業や大村港と早岐港のターミナル運営なども提案した。今後、県と事業予定者で区域整備計画を作成し、22年4月28日までに国に申請する。開業時期は20年代後半を想定している。

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