2018年7月11日水曜日

【凜】国土交通省都市局まちづくり推進課・松田友加里さん

◇便益では推し量れない豊かさも

 出身地は福岡県大牟田市で、「地方出身の自分にとって鉄道や道路は、街に出て行く機会を与えてくれる大切なもの」という考えから2007年、インフラを所管する国土交通省に入った。海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)への2年間の出向を経て、今月1日付で現在の職場に配属された。

 東京大学経済学部で都市経済を学んだ時は、都市機能を東京に一極集中させることを「是と思った」。だが入省後の米国留学で都市計画を学んだことが考え方を変えた。「便益では推し量れない豊かな生活という視点でのアプローチが重要」。経済学でまだモデル化されていないこうした視点を持ちながら、まちづくり推進課での仕事に取り組みたいと思っている。

 入省1年目に道路局で道路特定財源の一般財源化に携わった。右も左も分からない日々の中、「霞が関だけでなく、政治の生々しい動きも目の当たりにした」経験は何事にも代え難かった。航空局では民間に運営権を譲渡する空港コンセッションを可能にする法律制定にも関わった。

 出資の形で企業の海外進出に関与するJOINでは、日本に対する現地政府の大きな期待を肌で感じた。「インフラ輸出をやりやすくするためにも、ぜひ活用してほしい」と呼び掛ける。

 趣味は自転車。忙しい日々から抜け出して景色を眺めながら走ったり、ぶらりと気になるお店に入ったりするのがひそかな楽しみだ。

 (企画専門官、まつだ・ゆかり)

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