2019年2月14日木曜日

【GWまでの完全復旧めざす】関空連絡橋、橋桁の架設作業開始

工事関係者が見守る中、大型クレーン船で吊り上げられる橋桁
(2月12日深夜、大阪市泉佐野市の関空連絡橋で)
西日本高速道路会社は12日深夜、18年9月の台風21号の強風でタンカーが衝突、損傷した関西国際空港連絡橋(大阪府泉佐野市)に新たな橋桁を架設する作業を開始した。

 橋桁(約188メートル)の設置は2回に分けて行われ、13日未明には関空島側のA1~P1間(89・8メートル)の架設が無事に完了。残るP1~P2間(97・8メートル)の工事も13日深夜から14日未明にかけて実施される。被災から約5カ月という異例の早さで桁架設にまでこぎ着けた。3月中には対面通行規制を解除する予定だ。

 タンカーが衝突した連絡橋の空港島付近は上部の左右に高速道路上下線、下部の中央を鉄道が通る2層構造。タンカーが直接衝突した高速道路下り線の橋桁2本は鉄道側に最大約4メートルずれるなどの被害を受けた。

 西日本高速道路会社では、昨年9月12~14日に損傷した橋桁を2ブロック(A1~P1間、P1~P2間)に分けて撤去。損傷した橋桁はIHIインフラシステム堺工場(堺市)と、高田機工和歌山工場(和歌山県海南市)に搬入され、解体、桁製作、塗装、組み立てなどを経て1日に完成した。

 IHIインフラシステムは損傷が大きかったP1~P2間の橋桁(858トン)を新たに製作。高田機工が担当したA1~P1間(790トン)は損傷が軽微だったため、6割程度を再利用している。

 架設作業は深田サルベージ建設のフローティングクレーン(FC)船を使用し、A1~P1間を先行して実施。12日の昼間から桁をつり上げた状態で待機していたFC船は、関西空港A滑走路の運用が終わる午後11時30分ごろに作業位置への移動を始めた。鉄道の運行が終了した後、13日午前0時30分ごろには架設位置の上空まで移動。そこから微調整を行いながらゆっくりと橋桁が下ろされ、同日未明に作業を無事完了した。

 P1~P2間でも同様の作業を13日深夜から14日未明に行う。その後、舗装や照明設置等の工事が順調に進めば3月中に対面通行規制を解除、上下各2車線の4車線を確保する。今春の大型連休までに上下各3車線の完全復旧を目指す。

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