2019年2月25日月曜日

【建設業の心温まる物語】トーシス新潟(新潟県)・釣巻健二さん

 ◇職人さんたちの温かさに救われた◇

 私は電気工事の施工管理をしています。電気工事といっても範囲は広く一般住宅の電気工事から大型施設、道路の街灯などさまざまです。

 私がこの仕事に携わって5年目の時、ある公共施設の改修工事を担当しました。天井ボードの更新に伴う器具の取り替えでした。一見すると簡単な作業に思えますが、お客さまの都合でボードの撤去から器具の取り換えまでを土日の2日間で行わないといけない、という短い工程での作業でした。

 当初は、土曜日までに別業者がボードの張り替えを終え、日曜から私たちが電気器具を取り換えるという予定でした。事前の職長との打ち合わせでも「日曜日1日あれば何とかできるね」と話していましたが、当日の朝、現場に行ったところ、ボードが張りあがっていませんでした。

 私は予定と違う状況に「このままでは作業ができない。どうしよう」とパニックになってしまいました。頭を抱えて悩んでいた時、職長が言いました。

 「大丈夫、なんとかしてやる」

 その後、ボード屋さんに「とりあえず、ここからここまで張ってくれ。そうすれば墨出しができる」と指示をし、現場を動かしてくれました。現場にいたほかの職人さんたちも嫌な顔一つせず、作業に取り組んでくれました。そのおかげでなんとか夕方には作業が終えることができました。

 その時の職長の毅然(きぜん)とした姿は今でも目に焼きついています。私自身、今後この職長のような態度をとらなければならないな、と心改まると同時に、困っているときに助けてくれる職人さんたちの人の温かさを感じた出来事でした。

0 コメント :

コメントを投稿