2019年2月5日火曜日

【記者手帖】40分進んだ時計

1月にあった社内の人事異動に伴い、新たな取材先を担当することになった。企業担当になってから5年9カ月。お世話になった企業の広報担当はどなたも温かく送り出してくれた。感謝の言葉しかない。新しい担当は業界団体で、東京・八丁堀にある東京建設会館の記者クラブに詰める◆各団体の事務局は顔なじみの企業広報とは異なり、まだ名前と顔が一致しない。一致している人をまず見付けて、目当ての人に案内してもらう始末だ。取材内容はこれまで中心だった開発技術などから国の政策に関連した動きや統計などに変わり新鮮だ◆記者クラブに掛けられている時計は40分進んでいる。締め切りに追われて記事を書く時、実際の時間より余裕があると安心できるからだと、事務の女性が理由を教えてくれた。一度正確な時間に合わせたのだが、勘違いが続出し不評だったそう。遅刻魔の記者のための対策という裏の事情もあるとか◆着任して1カ月では時計のずれは違和感でしかない。時計の針を頭の中で置き換えなくても正確な時間が把握できるように、新しい環境でも自分の名前と顔を覚えてもらうようになりたい。(田)

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