2019年2月19日火曜日

【回転窓】巡って楽しい工事現場

建築、土木を問わず公共機関がプロジェクトを行う場合、費用対効果などのデータを事前に開示し事業に対する理解を深めてもらう取り組みが定着しつつある▼高速道路の新区間が開通して、目的地にたどり着く時間が大幅に短くなるなど工事が終わった後、効果を実感することは多い。だが工事の最中は「何かを造っているな」とは思っても、気になって仕方がないと思う人はそう多くないだろう▼奈良県にある特別史跡・平城宮跡で工事中の「第一次対極殿院南門」。復元プロジェクトに関心を持ってもらおうと、国土交通省近畿地方整備局の飛鳥歴史公園事務所が現場を覆う素屋根の南側に、完成イメージを印刷した特大のシートを設置した▼南門の本体工事は4月に始まる予定で、シートの前に設けた見学デッキに上れば古代の技法を使った左官や瓦ぶきなどが間近で見られるそう。できるだけ多くの人に事業を知ってもらいたい。さまざまな工夫には同事務所の思いが込められている▼春の訪れにはまだ少し早いが、あとひと月もすれば桜の開花も始まるだろう。春の行楽に今年はぜひ、工事現場巡りを加えてみては。

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