鉄道建設・運輸施設整備支援機構北海道新幹線建設局は26日、北海道新幹線立岩トンネルのうち北海道八雲町と長万部町で建設が進むルコツ工区の建設現場を報道関係者に公開した。トンネル延長5000メートルのうち、970メートルの掘削を完了。自然由来重金属を含む発生土の処理状況を説明した依田淳一北海道新幹線建設局長は「機構として責任を持って対策土の盛り土を施工するとともに、周辺環境へ影響を及ぼさないよう適切に対処する」と述べた。
立岩トンネルは北海道新幹線新函館北斗~札幌間に建設する延長1万7035メートルのトンネルで、このうちルコツ工区は八雲町と長万部町にかかる5000メートルを施工する。2016年3月に奥村組・竹中土木・山田組・近藤工業JVと契約し、24年1月の完了を予定している。工事用の横坑(延長1063メートル)掘削から始まった工事は、18年7月に本坑の掘削に着手。NATMの発破掘削で掘り進め、現在までに970メートルの掘削が完了している。
現場では60万立方メートルのトンネル発生土が見込まれており、このうち45万立方メートルが土壌汚染対策法で規定されている土壌溶出量基準または土壌含有量基準を超える自然由来重金属などを含む対策土となっている。対策土は現在、国縫地区の民有地に運搬し盛り土して地表に露出しないよう覆土を施し、盛り土の下流側に土堤を設けて対策土に触れた水が流出するのを防いでいる。また発生土受け入れ地周辺の地下水や表流水は定期的にモニタリングし、周辺環境への影響の有無を確認している。
北海道新幹線新函館北斗~札幌間は工事延長約212キロのうち約169キロをトンネルが占める。39工区に分割するトンネル工事は、現在までに36工区、約160キロが契約済みで、残る3工区も本年度中に契約する予定となっている。
新函館北斗~札幌間全体では1946万立方メートルの掘削土が発生する見込みで、現在までに受け入れ先が確保できているのは約52%だけ。発生土の受け入れ先が決まらずに着工できない工区もあり、発注済みの36工区のうち着工しているのは27工区にとどまる。依田局長は「31年3月の開業に向け、発注は想定通りに進んでいる」としながら、「今後は発生土の受け入れ地が見つからないと工期に支障が出る恐れがある。本年度がぎりぎりのところ」と話し、周辺自治体に発生土対策への理解を求める考えだ。
建設残土は津波から守るための盛り土に使えばいい。汚染土なら原発の近くの海岸の津波から守るための盛り土に使えばいい。
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