千葉方面の7号小松川線と埼玉方面の中央環状線をつなぐJCT |
首都高速道路会社は10月31日、東京都江戸川区で進めている小松川JCT新設工事の現場を報道陣に公開した。7号小松川線の千葉方面と中央環状線(中環)・埼玉方面をつなぐJCTで、連結路を架設するために7号や中環の通行止めを伴う難工事を行ってきた。12月1日午後5時に開通する予定で、現場は仕上げ作業が急ピッチで行われている。開通すると同社の中環機能強化事業がすべて完了することになる。
小松川JCTの工事では、千葉から東京都心に向かう7号の路線と中環・埼玉方面をつなぐB連結路、中環・埼玉方面から7号の千葉方面に至るA連結路、一般道から中環・埼玉方面へ乗り入れるための「中環小松川入り口」、7号の新しい「小松川出口」などを整備する。
7号と中環は、1級河川の荒川と中川に挟まれた中堤防の上で交差しており、JCT工事は中堤防を含む河川部と陸上部とで行ってきた。河川部はIHIインフラシステム・大成建設JV、陸上部は下部工をフジタ、川田工業が上部工を担当している。高速道路の舗装工事は大成ロテックが実施した。
2010年3月の都市計画変更決定の後、事業や用地補償の説明会などを経て、河川部は13年11月、陸上部は14年9月から工事に着手した。河川部は6~10月の出水期を避け、11~5月に集中して作業を実施。連結路の桁を支える横梁を中環直下の限られたスペースで方向転換し、リフトアップさせて架設したり、中川に橋脚を構築したりしてきた。
B連結路は7号と中環をまたぐように設置する。供用中の路線を通行止めした限られた時間の中で、安全に効率よく架設しなければならず、成瀬良二東京西局プロジェクト本部改築事業部長は「工程を綿密に受発注者でどれだけ練れるかがポイントだった」と作業を振り返った。河川部は11月からの非出水期の歩掛りを上げる必要があり、連結路の架設には大型クレーンや起重機船を駆使してきた。成瀬部長は現場での説明で、受発注者がそれぞれの立場を踏まえた上で工程を調整することの重要性を強調した。
小松川JCTが供用すると、7号小松川線の千葉方面から都心環状線を通らずに中環経由で5号池袋線などにアクセスできる。都心環状線や東京外かく環状道路千葉区間が通行止めとなった際に選択できるルートが増え、中環・埼玉方面の入り口の新設によって一般道の混雑が緩和される。
首都高速会社は、中環の機能強化事業として堀切・小菅JCT間と板橋・熊野町JCT間の改良に取り組み、18年の2月と3月に完成させた。機能強化事業の完了が間近に迫り、「整備効果を積極的に発信する」(高橋三雅東京西局プロジェクト本部長)方針だ。
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