先月までに多くの企業で来春入社する人たちの内定式が例年通り行われたようだ。新卒採用を巡る動きは「定期一括採用」から「通年採用」へと傾きつつあるが、次代を担う人材を早期に確保しようとする動きは続く▼売り手市場で採用難が続く中、企業側は学生の内定辞退をいかに回避するかに苦心する。就職情報サイトの運営会社が人工知能(AI)を活用し、企業向けに学生の内定辞退率を予測するサービスを提供していた問題の背景には、サービスを享受する企業側のニーズの高さもあるだろう▼最近はAI面接を導入する企業も目立ってきた。マイクで学生の話し方やその内容を聞き取り、カメラで顔の表情や動きを記録してAIが分析。入社志望者のコミュニケーション能力や頭の回転の早さ、協調性などを総合的に評価するという▼企業側は面接官ごとにあいまいだった評価が数値で明確化され、学生側もいつでも柔軟に面接を受けられる▼双方にメリットはあるようだが、AIが人を評価することにはどうも違和感がある。人と人が会い、その場に立つことでしか感じ取れないものがあることを忘れないでほしい。
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