2019年11月6日水曜日

【回転窓】川とともに変わる街

支流が唱歌「春の小川」のモデルとされる東京・渋谷を流れる渋谷川。大正のころには橋から飛び込んだり、川辺ではしゃいだりするこどもたちが多かったと聞いた▼地名の通り、渋谷はすり鉢状の谷のような地形。渋谷川のすぐ北に位置する渋谷駅の周辺は大型再開発が同時進行するものの、街づくりは治水が問題となってきた▼1日に渋谷駅東口地下広場が供用した。渋谷川はカルバート構造物への移設事業が2015年に完了しており、広場は渋谷川の下に位置する。地上や地下のバスターミナルや駅、周辺施設をつなぐ新たな歩行者動線となった▼「スペシャルな空間」。開業式典で長谷部健渋谷区長は広場をそう表現した。「渋谷になくてはならない川」とともに存在し、道路空間の特例として付与されたにぎわい創出の機能がもたらす収益が、国内外から渋谷を訪れる人々へのおもてなしに生かされるためだ。広場の下では大型の雨水貯留槽の工事も急ピッチで進んでいる▼3連休は1日開業の大型商業施設に多くの人が訪れた。今月は別の商業施設が開業する。変貌を続ける渋谷。変わっていく街の姿に注目したい。

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