2019年11月29日金曜日

【どう生かす、五輪レガシー】有明アーバンスポーツパーク跡地活用、都が検討本格化

 東京都は2020年東京五輪で自転車(BMX)とスケートボードの競技会場となる「有明アーバンスポーツパーク」(江東区)の跡地活用に向けた検討を具体化させる。

 五輪後の跡地の一部は、ほかの仮設スポーツ施設も移設させ、五輪のレガシー(遺産)を生かす「アーバンスポーツゾーン」として再整備する。都は施設整備や運営・維持管理を担う民間事業者を公募する方向で検討を進めている。

 同パークの所在地は有明1の7(敷地面積9・7ヘクタール)。五輪時は仮設施設としてBMXレーシング(仮設観客席5000席)、同フリースタイル(3000席)、スケートボード(7000席)の会場が設置される。都は跡地活用の想定イメージとして2区画(2・6ヘクタール、1・6ヘクタール)をアーバンスポーツゾーン、新交通ゆりかもめ有明テニスの森駅前の1区画(2・5ヘクタール)をにぎわい誘導用地と位置付けている。

 現段階の検討では五輪後に仮設観客席などを撤去した上で、大会シンボルやモニュメント、青海アーバンスポーツパーク(江東区)を会場とするスポーツクライミングや3×3バスケットボールの競技施設などを移設し、再配置する。都オリンピック・パラリンピック準備局が29日まで入札参加を受け付けている「(仮称)有明アーバンスポーツパーク基本構想検討・基本設計業務委託」を通じ、詳細を具体化させる方針だ。同委託の開札は12月17日。履行期限は20年3月24日。

 同局は「(仮称)有明アーバンスポーツパーク等運営事業に係る支援業務委託(その2)」の入札手続きも進めている。五輪後の施設運営・維持管理を民間事業者に任せることを前提に、事業者公募手続きを支援する業者を選定する。開札は12月18日。履行期限は20年3月31日。

 アーバンスポーツゾーンの整備にはPPPやPFIといった民間活力を生かす事業手法の採用を想定している。民間事業者の公募時期は未定だが、20年度以降になるとみられる。都が昨年度実施した民間の進出意欲を探るサウンディング(対話)型調査の結果も参考に、施設整備の方向性や事業者選定の公募条件を詰める。

 同調査には建設業者やデベロッパーなど26者が参加。アーバンスポーツゾーンには教育やリハビリなどのスポーツ関連施設に加え、キャンプ施設や職業体験施設を設けるアイデアが寄せられた。有明テニスの森駅前のにぎわい誘導用地には住宅や商業施設、業務施設、公共施設など幅広い提案があった。

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