◇土木に心を引かれて20年◇
2020年東京五輪・パラリンピックの選手村にバス停留所を整備する「選手村トランスポートモール整備工事」で現場代理人兼監理技術者を務める。今月、現場見学に訪れた女子学生らに仕事の魅力を熱く伝えた。「20年やってきて気づいた。職方との調整や細やかな配慮。現場監督は女性の方が向いている」。
大学を中退し、20歳で家業の土木の世界に。すぐに現場に入ると「土木の魅力に取りつかれ、流れるままに2、3年」。自発的に資格取得も始め、20代半ばの頃、京都府内を流れる桂川上流の橋梁工事で最初の現場を任された。「苦しいこともあったが、根性には自信があった。あとは、ものができる喜びに尽きる」と振り返る。
選手村の現場は都の「女性活躍モデル工事」。その一環で現場見学の受け入れに初めて挑んだ。女性に適した仕事もあると知ってもらいたくて、U型側溝の目字詰め作業の体験会を見学メニューに盛り込んだ。
人材不足にあえぐ建設業界に「恩返しがしたい」という思いは人一倍強い。「『女性でもできるじゃん』と思ってもらいたい。まずは同性の意識を変えたい」。苦手意識や先入観を自分自身で打破してきた自負もある。世の中を変えていくには「誰かが動かないといけない」。そうした気持ちを共有する仲間たちをつくっていきたいと思っている。
(どばな・あや)
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