2024年9月26日木曜日

新社長/中日本高速道路会社・縄田正氏、安全な道路空間を提供 

 経営方針の最上位に据える安全性向上のため、不断の取り組みを進める。耐震補強やリニューアルとともに、利便性向上や災害時のネットワーク確保に向けた4車線化やミッシングリンクの解消にも注力する。当面の課題は建設業の2024年問題。「発注者だけで事業は成り立たない。受注者と一体になって仕事をしたい」と現場環境の整備にも力を込める。
 --就任の抱負を。
 「社会貢献が第一の企業理念。そのために最優先すべきは安全性の向上だ。安全な道路空間をしっかりとお客さまに提供する」
 「事業を円滑に進めるためには、受注者と一体となって仕事をするという意識を持ち、現場の状況を把握する必要がある。資材価格や労務費が相当上がっている中で、事業費が不足するということにならないよう関係機関、特に国土交通省には実態をしっかりと伝えていきたい」
 「これまでも風通しの良い職場環境の構築を心掛けてきた。社員にはコンプライアンスの順守とともに、率直に意見やアイデアを出すことを期待する」
 --当面の課題は。
 「建設業の2024年問題への対応が求められる。まずは3月に策定した工事円滑化ガイドラインを現場にしっかり浸透させたい。本社の担当者が現場事務所を回って内容を周知し、発注者やグループ会社、受注者間での共有に努める。取り組みが進む中でのフォローアップも大切だ。現場からの意見を吸い上げコミュニケーションを取ることで、ガイドラインの実効性を高めたい」
 --主要プロジェクトは。
 「安全性向上に直結する耐震補強やリニューアルはもちろん、ミッシングリンクの解消も重要なプロジェクトだ。また、東海北陸自動車道の4車線化対象区間はセパレート形式のため、新設に近い事業になる。長大トンネルや橋梁の整備を含んでおり、受注者の関心も高い。若い技術者に活躍してもらい、新設事業の経験を積むことができる現場になってほしい」
 「ミッシングリンクが残る東海環状自動車道も早期につなげたい。さまざまな方向からのルートを確保しておくことは、発生が危惧される南海トラフ巨大地震のような自然災害への備えとしても大切。施工難易度が高い区間もあるが、着実に進めたい」
 --中長期的に注力する分野は。
 「高速道路空間をどのように変化・進化させていくかを検討する必要がある。今後、自動運転や自動物流など、さまざまな視点で検証や研究、実証が進むだろう。それらの動きに柔軟に対応し、可能性を模索したい」。
 (6月25日就任)
 (なわた・ただし)1983年京都大学大学院工学研究科修了、建設省(現国土交通省)入省。東北地方整備局長、中日本高速道路会社代表取締役兼専務執行役員建設企画本部長などを経て現職。コリンズ(工事実績情報)には発案段階から携わった。趣味はスポーツ。学生時代はアメフトに打ち込んだ。バイクも好き。福岡県出身、66歳。




from 人事・動静 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=167351
via 日刊建設工業新聞

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