2024年9月17日火曜日

マンガで防災意識向上を/本紙・阪本繁紀記者が東日本大震災テーマに作品制作

 マンガを通じて地域の防災・減災への意識を高めたい--。東日本大震災をテーマにした漫画作品『ある光』を8月に出版した東京都中野区の漫画制作サークル「和歌山下津漫画制作同好会」。同好会の代表で、日刊建設工業新聞社編集局の阪本繁紀記者がプライベートの時間を使って取材や制作を進めてきた。今後南海トラフ地震で津波被害が見込まれる地域を中心に、防災学習に役立てるなど、防災・減災や復興まちづくりに対する意識を深めてもらいたいとの願いを込めている。
 主人公は東北沿岸で暮らす音楽好きの女子高生。将来に葛藤を抱きながらも、家族や友人の後押しで夢を追う決心をする。そうした日常が2011年3月11日を境に一変。大地震と巨大津波が、親しい人たちの命と、思い出の詰まったふるさとを奪い去る。主人公は悲しみを受け止めつつ自分の進むべき道を歩み、成長していくストーリーだ。
 物語は「いわき震災伝承館みらい館」(福島県いわき市)や、同市の語り部の会、地方自治体の職員、元自衛官などへの取材を基に組み立てた。震災後に東北沿岸で進められた高台造成事業や復興道路・復興支援道路の整備、復興まちづくりなどの取り組みにも触れている。
 8月に南海トラフ地震の臨時情報が発令されるなど、大地震や巨大津波による災害リスクへの対応が急務となる。作品は地域の未来を担う若い世代にも読みやすいよう、マンガ形式を採用。主人公の視点から震災の恐ろしさや苦難、未来への希望を実感してもらえるよう構成している。
 問い合わせは同会のメール(KisyuProspers@gmail.com)へ。

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