大和ハウス工業の流通店舗事業本部は10日、今後の事業展開の方針を明らかにした。資材価格や労務費の上昇に伴って建築コストが上がっているが、テナント店舗の売価などには十分に転嫁できていない状況。商業分野では今後、過去に開発した施設を買い取り再販したり、建て替えたりする「BIZ Livness」事業に注力する。商業施設のほかホテル、オフィスなどを扱う同本部では、2026年度に売上高1兆2500億円を目標に掲げる。
同日東京都内で記者発表会を開いた。同本部の施策は同社のほか▽大和リース▽大和ハウスリアルティマネジメント▽ロイヤルホームセンター▽スポーツクラブNAS▽大和ハウスパーキング-の関連会社5社とともに推進。目標値も各社の事業を合算している。
23年度の売上高は1兆1815億円で、営業利益は1436億円、営業利益率は12・2%だった。24年度は売上高1兆2200億円、営業利益1440億円、営業利益率11・8%を目標に据える。26年度には売上高1兆2500億円、営業利益1600億円、営業利益率12・8%へ拡大を目指す。
大和ハウス工業の下西佳典取締役兼専務執行役員流通店舗事業本部長は、23年度の非住宅建築の建築工事費が15年度比で124%に上がったとする調査結果を紹介。「肌感覚ではもっと急激に上がっている」と話した。売価への価格転嫁が難しいことも影響し、流通大手も新規出店を控えている状況があるという。
同社は過去に開発して開業後20年以上たつ商業施設をターゲットに、リニューアルや建て替え需要の掘り起こしを急ぐ。リニューアルで誘客力が戻れば、新築の減少に伴う売り上げの減を補える可能性がある。対象となる施設は国内に約2000件。約150件で条件協議に入っている。
オフィスは近年新規供給が少ない地方都市に焦点を当て、高付加価値な物件を供給する。下西氏はアドグレイス大宮(さいたま市大宮区)やグラノード船橋(千葉県船橋市)を例示した。ホテルはコロナ禍の収束に伴って引き合いが戻っているといい、大都市圏や観光資源が多いエリアを中心に、適所を着実に確保していく。
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