1990年に発足した日本建設機械工業会(建機工)。これまでの歴史を継承しながら、経済発展や国民生活の向上、災害対応などに貢献していく。労働力不足を踏まえた建設業界での生産性向上や、気候変動の懸念が高まる中でカーボンニュートラル(CN)への対応も求められている。取り巻く環境の変化を見据えつつ、業界一丸となって課題解決に取り組んでいく。
--就任の抱負を。
「建設施工におけるCNやDX、国際競争のさらなる激化、少子高齢化による労働力不足など取り巻く環境が著しく変化している。個社ではできないことに対して、一致団結してやっていく必要がある。行政にもしっかり要望していく。建設業界も盛り上げていきたい」
--市場環境は。
「2024年度の出荷金額は4年ぶりの減少となる見込みだ。欧米の金利上昇による影響が大きい。国内は金利上昇への懸念でマインドが落ち始めている。25年度は前年度比1%増を予測しており、過去2番目となる見通しだ。大きな目で見ると、まだまだ世界的にはインフラ投資は続く。日本も人口減少はあるが、設備の老朽化が進んでいる。公共投資を進めざるを得ない状況が続くだろう」
--重視する点は。
「震災からの復興への貢献、環境・省エネルギーに対する対応、グローバル展開の支援、新しい技術への対応という四つの重点施策に取り組む。建機の稼働現場では労働力不足や働き方改革が進んでいる。建機の遠隔操作や自動運転など新たな技術の実用化に向けた取り組みが加速している」
「大きな流れの中でGXが進んでいくだろう。新技術や製品を社会実装していく上で、関連法令や助成金活用といった多くの課題がある。水素を活用していくにもインフラ整備が必要だ。行政や他の関連業界との連携も強化して取り組んでいく」
--人材確保に対しては。
「採用という観点で見た時に、もっともっと魅力ある職場作りをしていかなければいけない。建機の仕事が楽しいということをアピールすることが必要だ。広報活動も最重要視していく」
--今後に向けては。
「ガラパゴス化している規制がある。各社の要望をまとめて、グローバルルールに基づいた規制緩和をお願いしていく。そうした流れを通じてベースとしての競争力を上げると同時に、各メーカーがCNや電動化、自動化で先進性を持った物を作っていくことが重要だ。日本は最もオペレーターに寄り添った開発が進んでいると思う。働きやすく安全で安心して乗れる建機を、世界にもっとアピールしていきたい」。
(5月23日就任)
(やまもと・あきら)1987年大阪大学大学院工学研究科金属材料工学専攻修了、神戸製鋼所入社。2015年執行役員、17年常務執行役員、20年専務執行役員、22年4月コベルコ建機副社長執行役員、同6月社長。22年から建機工副会長。「進んでいる業界のアイデアも見ながら魅力を発信していきたい」と意気込む。兵庫県出身、62歳。
from 人事・動静 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=166942
via 日刊建設工業新聞
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