2024年9月30日月曜日

清水建設ら/ジオポリマーコンクリ副産物活用率96%に、CO2排出やコストも低減

 清水建設と神戸製鋼所、ポゾリスソリューションズは、原材料に用いる産業廃棄物の活用率を大幅に高められる「ジオポリマーコンクリート」を共同開発した。主原料としてジオポリマーの活性フィラー(粉体)に利用する石炭灰(フライアッシュ)や高炉スラグ微粉末に加え、コンクリの骨材と練り混ぜ水にも産業副産物を有効活用することで活用率を最大化。重量比ベースで従来の20%から最大96%まで高めた。
 産業副産物を原材料とするジオポリマーコンクリは、製造段階で多量の二酸化炭素(CO2)発生を伴うセメントの代替材料として広がりつつある。3社が今回開発した資源循環促進型のタイプは流動性や強度を決定する反応メカニズムを分析することで、骨材と練り混ぜ水にそれぞれ、製鉄所から産出されるスラグ骨材とアルカリ廃液を活用する独自の配合技術を構築。産業副産物をコンクリの骨材や練り混ぜ水にも有効活用できるようにした。
 ジオポリマーコンクリの特性として、活性フィラーとアルカリ活性剤の反応速度が速く高い流動性を長時間保持できなかった課題にも対応。ポゾリスソリューションズが開発したアルカリ活性剤と分散剤によって流動性の保持時間を確保する。常温で硬化するためコンクリ製品への適用時に必要とする高温養生が不要となり、CO2排出量や製造コストも低減する。コストは従来に比べ半分以下まで下げられる見通しだ。
 清水建設と神戸製鋼所は今後、副産物利用率が95%超のジオポリマーコンクリを「オール・バイプロ・ワン」、95%以下を「バイプロワン」として社会実装に取り組む。コンクリ製品への適用や実証や現場施工に向けた製造システムの構築を進める。




from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=167478
via 日刊建設工業新聞

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