2024年9月19日木曜日

NEDO、住友大阪セメント/低炭素型半たわみ舗装材を開発、CO2排出量58%削減

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と住友大阪セメントは「次世代低炭素型半たわみ性舗装」の開発と試験施工に成功した。NEDOのグリーンイノベーション基金事業を活用して開発。セメント製造から施工、供用、廃棄までのライフ・サイクル(LC)全体で、従来の半たわみ性舗装に比べ二酸化炭素(CO2)排出量を約58%削減する。開発にはNIPPOが協力。引き続き試験施工を重ねるとともに、CO2削減率の向上を目指し開発に取り組む。
 住友大阪セメントが18日に東京都内で会見し発表した。新技術は半たわみ性舗装用セメントミルク材のセメント中のクリンカ比を3~4割低減し、CO2排出量を削減する。カルシウムを含む廃棄物と、セメント工場の排ガス中のCO2から製造した人工石灰石を用いて固定化も図る。人工石灰石は半たわみ性舗装用セメントミルク材に用いるカーボンリサイクルセメントの増量材と、開粒度アスファルト混合物の骨材の一部として使用する。
 炭酸化反応を従来品の2倍以上に高めることで、舗装の施工、供用両段階でのCO2固定量も向上。供用限界の20年を経過した後は解体し、路盤材などとして再利用する。半たわみ性舗装内部に固定された大気中のCO2は半永久的に固定される。
 住友大阪セメントは、これまでに国内で半たわみ性舗装が公共、民間合わせ年間50万平方メートル以上施工されていると推計する。この全てを今回開発した舗装に変更することで、年間2000トン、20年で4万トンのCO2排出を削減できると試算。炭素も年間130トン、20年で2600トン除去できると見込む。
 同日の会見で、同社の小堺規行常務執行役員セメント・コンクリート研究所長兼サステナビリティ推進室長は「こうした次世代低炭素型半たわみ性舗装は世界で初めてであり、日本が発信できる技術になる」と強調した。




from 技術・商品 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=167172
via 日刊建設工業新聞

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