2024年9月24日火曜日

横浜市/国内最大級2メートル管をくり抜き分岐、西谷浄水場再整備で報道公開

 ◇設計・施工は大成建設JV
 横浜市が進めている西谷浄水場(保土ケ谷区)の全面再整備事業で19日、国内最大級となる口径2メートルの既設管を断水せず新設管に切り替える「不断水分岐工事」が報道公開された。同日は最大の見どころとして特殊な機械や部材を使用し、既設本管をくり抜き新設管と連絡できるようにするための「穿孔(せんこう)」作業が行われた。同工事を含む浄水処理施設全般の設計と施工は大成建設・水ingエンジニアリング・シンフォニアテクノロジー・NJSJVが担当している。
 西谷浄水場は日本近代水道の発祥の地、横浜を代表する水道施設の一つ。市内の中心部に位置し、みなとみらいなど都心臨海部を含め市内給水量の4分の1程度を賄う。そのため断水が許されない状況にある。
 今回の不断水分岐工事では場内を通る口径2メートルの既設本管のうち、新設するろ過池に重なる一部を断水せず新設管に切り替える。敷地の東側と北側でそれぞれ埋設深さ10メートル程度の立坑を構築。8月19日から本格的な分岐作業に着手し、既設本管の上から分岐用の特殊な管やバルブなどを設置した。続いて特殊機械の穿孔機で既設本管をくり抜いた後、機械を取り外し蓋(ふた)を取り付けて完了する手順になる。
 市によると、国内で不断水分岐の施工技術と実績があるのはコスモ工機と大成機工の2社。両社は今回の現場にも2次協力会社として入っており、東側の施工をコスモ工機、北側を大成機工が担当する。いずれも1次協力会社としてデックが参画している。
 同日公開された現場は先行するコスモ工機が施工する東側。断水せず既設本管の任意の場所から分岐管や弁を設置できる、同社特有の「インサーティング工法」が採用されている。同日はほぼ1日がかりで特殊カッターを備えた穿孔機を回転し、既設本管上部からC字型にくり抜く穿孔作業が行われた。同社担当者によると、準備段階では3Dスキャナーを用いて周辺状況を確認してから作業に支障を来さないようにした。
 11月には北側の穿孔作業も行われ、年内には新設管の通水が始まる予定。浄水処理施設全般の整備は2032年度まで続く。
 案内役を務めた同JVの蒲谷大輔監理技術者(大成建設)は「異業種JVの技術を最大限発揮し、水質を維持しながら施工していきたい」と話している。




from 行事 – 日刊建設工業新聞 https://www.decn.co.jp/?p=167280
via 日刊建設工業新聞

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