◇働きやすい環境整備は男女共通◇
JR東海グループの一員として鉄道関連設計等業務を担うジェイアール東海コンサルタンツで計画・設計業務に従事する。1歳の男の子を持つママさんエンジニアだ。産休を終えこのほど職場復帰。入社から9年目を迎えた。
1年間のブランクを乗り越え、第一線で活躍。名古屋生まれの名古屋育ち。08年に名古屋工業大学工学部第二部社会開発工学科を卒業し同社に。高校時代から理系志望で、建築系よりも公共性が強く、より市民に近い「土木」を選んだ。
大学での構造力学や水理学、土質工学など専門分野の勉強は「想像以上に難しかった」が、学習する中で、土木の奥深さや面白さを発見し、土木を選択したことに納得したという。
社会開発工学科の1学年定員は40人で、うち女性は10人。女性の多くは役所(公務員)やゼネコンに就職した。「自分が設計したものが社会の役に立ち、しかも50年、100年も残る」ことに魅力を感じ、コンサルタント会社を選んだ。社内には先輩・後輩の女性土木技術者がおり、気軽に話し合える。
社内結婚し、夫も土木技術者だ。「仕事の悩みや喜びを共有できるのはうれしい」と恵まれた環境に感謝する。
入社早々に他社からの監督委託業務で高架橋新設や桁架設の現場を1年間経験した。
「現場ではいろいろな人と関わり、土木技術者としての仕事に対する姿勢など貴重な体験をさせてもらった。設計だけしていたら分からないことが現場にたくさんあることを教えられた」
建設業で働く女性が増え、大学でも建築・土木を志望する女性も増え、男女差を感じさせない環境整備が進んでいる。「昔の中学校では、男子は技術科、女子は家庭科を学んでいたが、93年に中学校の家庭科が男女共修になったことも一因では」と時代の変化がその背景にあることを説く。
子育てと仕事の両立はそう甘くない。「たまたま夫の家族が近くにおり、助けられているが、皆がそうではない。働きやすい職場環境の実現は男女共通の課題。働く女性の声がもっと大きくなることを願ってる」。
(もりせ・まこと)
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