明治時代に初編が発行されて以来9年間で70万冊も売れた本がある。当時の「大ベストセラー」と齋藤孝明治大学文学部教授が書いている。明治の偉人・福澤諭吉が著した『学問のすすめ』がそれ▼『現代語訳 学問のすすめ』(齋藤孝訳、ちくま新書)を読むと、その内容が多岐にわたることに驚く。福澤は学問の意義を説きながら、人生設計や判断力などについても記述している。長年にわたり多くの人に読まれてきた理由かもしれない▼今週12日、政府が開いた未来投資会議で、建設現場の生産性革命が打ち出された。具体的な推進策は「i-Construction」。現場の生産性を2025年度までに2割向上させる目標も示され、今後はさながら国を挙げた“i-Conのすすめ”が本格化する▼運用上の細かなルールづくりに加え、中小企業も取り組みやすい環境をどう整備していくのか。いずれも建設生産性革命の実現には欠かせない▼もともと分冊で発行された『学問のすすめ』全17編がそろったのは140年前の1876年。“i-Conのすすめ”も息の長い取り組みとなって実効を上げてほしい。
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