東京・六本木のフレンチレストラン「グリル&ワイン ジーニーズトーキョー」(東京ミッドタウンプラザ1階)で、一流シェフが腕を振るって作る「ダムカレー」が人気だ。
6月に始まった「土木展」との連動企画でメニューに加えられたダムカレー。この異色コラボが反響を呼んでいるだけでなく、こだわりの味を求めて来るリピーターも多い。このほど料理のモチーフになったダムの関係者が来店し、話題を集めているダムカレーの談義で盛り上がった。
9月某日、ジーニーズトーキョーを訪れたのは中部電力発電カンパニー再生可能エネルギー事業部開発グループ長の細見浩氏と、清水建設執行役員土木総本部第二土木営業本部長兼土木企画室長の池田謙太郎氏。この店で提供されているダムカレーのうち、「キノコボルドー風ダムカレー」のモチーフになった岩倉ダム(長野県売木村、重力式コンクリートダム)と関わりのある会社の面々だ。
中部電力は岩倉ダムを管理運営する事業者であり、清水建設は前身の清水組が約80年前にダム本体を施工した。細見氏は人気レストランで振る舞われているダムカレーのことを知った時、「私たちのダムがなぜカレーに?」と驚きを隠せなかったという。
東京ミッドタウンの21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「土木展」とタイアップし、6月下旬から店で提供されているダムカレーは、豊平峡ダム(札幌市南区)、大久保山ダム(愛媛県愛南町)、そして岩倉ダムをモチーフにした3種類。それぞれに使う食材や盛り付けなどに工夫が凝らされ、いずれも他では食べられないオリジナリティーにあふれるダムカレーとなっている。「三つのダムは自分で調べて選びました。企画ものとはいえ、料理人としてやるからにはしっかりとしたものをお客さまに提供したいと思い、お話をいただいてから2カ月ほど試行錯誤して完成させました」とジーニーズトーキョー・グランシェフの伊藤正顕氏は振り返る。
伊藤氏のダムカレーは、生クリームとバターをふんだんに使ったクリーミーな味が魅力のルーと、ダムが立地する地域のおいしい旬の食材を使っているのが特徴だ。岩倉ダムのカレーは、ダム湖に見立てたルーを、ご飯を三日月形に盛った堤体がせき止め、サイドメニューとして長野県が生産量日本一を誇るきのこのボルドー風と、豚のコンフィが添えられている。
お店オリジナルのダム〝カレー〟カード |
ジーニーズトーキョーのメニューにダムカレーが加わって約3カ月。「他のコラボ企画と違って露出度も少ないため、最初はあまり出ないかもしれないと思っていました」と伊藤氏。こうした予想に反し、今やダムカレーは店で人気のメニューであり、リピーターになってオーダーする人も多いという。
ダムカレーは「土木展」が終わる今月25日までの期間限定メニューだが、伊藤氏は「このままいけば続けることを検討するかも」という。ダムカレーの人気に応え、近々に期間延長といううれしいお知らせがあるかもしれない。
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