今月初め、台湾・台北市の建設現場を取材した。日本のゼネコンの現地法人が施工する共同住宅新築工事で、作業員は全員ヘルメットをかぶり、安全帯を身に着けていた。開口部に飛来・落下防止用ネットを設置するなど安全設備も万全で、危険行為への注意を喚起する看板も随所に見られた◆地元の行政担当者によると、建設現場で発生する死亡災害の多くは墜落・転落災害。現法を通じて日本式の安全対策が浸透し、発生件数は減少傾向にあるという。取材した現場は熱中症対策にも積極的だった◆台湾でも作業員の高齢化が進み、担い手の確保・育成が課題の一つ。省力化工法の導入も活発だ。あるベテラン技術者は「型枠大工の労務費は10年前の5倍。現場の人手作業を減らすため、プレキャスト・コンクリート工法の導入が広がってきた」と話す◆生産性向上ツールとして、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用も増えている。こうして見ると、日本と共通する課題も少なくない。国内で取材しているかのような錯覚に何度も陥った。(田)
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