2018年12月25日火曜日

【回転窓】備えの総点検を

地名にはその土地に起きた災害の歴史や特徴を現在に伝えるメッセージが隠されている。「浅」「深」「田」「谷」などの付く地名は海岸線や川の近く、低地、湿地帯などを表し、過去に津波や台風、豪雨などが発生したと考えられる▼地名から災害の記憶をたどるだけでなく、土地の成り立ちからも身の回りの自然災害リスクを知ることができる。例えば、周囲が浸食により削られ周囲より高い「台地・段丘」は河川氾濫のリスクはほとんどないが、河川との高低差が小さい土地は注意が必要だ▼土地の成り立ちを簡単に確認できるよう、国土交通省などがハザードマップポータルサイトの「重ねるハザードマップ」に地形分類図の表示機能を搭載した。身近な土地が台地・段丘だったのか、あるいは谷底平野や旧河道だったのかを知ることができる▼地名の由来に関心を持ち、土地の成り立ちを調べることは、地域の歴史や過去の災害に向き合い、災害対策の優先順位を考える大きなヒントになるだろう▼今年頻発した自然災害を通じて、事前の備えの大切さを改めて痛感させられた。これまでの備えの総点検に当たりたい。

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