2018年12月10日月曜日

【回転窓】営繕さんの仕事

建物を造ったり修理したりする-。「営繕」にはそのような意味がある。英訳はビルディング・アンド・リペアーズになるそうで、今の時代にぴったりな言葉だと思う▼その語源は1000年以上もさかのぼり、701年制定の大宝律令に営繕令という用語が使われている。当時は建物の営造と修繕だけでなく武器の製造、道路や橋梁、堤防、船などの営造と修繕を表し、現在よりも広い意味で用いられていたそうだ▼営繕の仕事を通して昔と変わらぬたたずまいを守り続けている建物は全国各地に存在する。1878年日本初の本格的リゾートホテルとして箱根に開業した富士屋ホテルもその一つ。「営繕さん」と親しみをもって呼ばれるスタッフが存在する▼彼らの仕事は建物の日々の細かなメンテナンスから庭園の橋や水車、ヒノキ風呂づくりまで多岐にわたる。舞台裏で活躍する営繕さんが和洋混交の建築群を守り、登録有形文化財の指定に寄与した▼営繕さんにスポットを当てた展覧会が東京・京橋のLIXILギャラリーで始まった。建築の守り人の仕事を写真や映像のほか現物も交えて紹介。会期は来年2月23日まで。

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