2018年12月17日月曜日

【回転窓】災いを教訓に

日本漢字能力検定協会の今年の漢字は「災」。強い地震が相次ぎ、甚大な被害を生じさせた西日本豪雨、大型台風、災害級の猛暑…。公募の結果、災は2万票を超えての1位だった▼応募者の中には、災害の減少を願って災を挙げた人も多かったという。懸念される複数の巨大地震をはじめ、災害の発生は避けられない。災を意識せずにはいられなかった1年の教訓を備えに生かしていく必要がある▼国土を安全に強くしなやかにする政府主導の国土強靱(きょうじん)化が一段と推進されることになった。重要インフラの点検結果を受けた対策が決定。6兆円で推移してきた当初ベースの国の公共事業関係費は19年度以降、民主党が政権を握っていた前の水準に回復する公算も出てきた▼災害が激甚化する中、対策を講じたからこそ、大きな被害を免れた地域があることがクローズアップされつつある。一方で、予算の制約から先送りせざるを得なかった事業も少なくないと聞く▼必要だけれどできなかったという人災は、あってはならない。国を挙げた国土強靱化が十分に必要な期間にわたって着実に実行されることを切に願う。

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