大林組は26日、古河ロックドリル(東京都中央区、三村清仁社長)と共同で、山岳トンネル工事向けのコンクリート吹き付け機を開発したと発表した。
アームの旋回に対応して、アーム自体が自動で伸び縮みするようにした。先端のノズルを常に最適な軌道に保てるため、作業効率が高まる。短時間で操作方法を習得でき、熟練オペレーター不足の解消につながると期待している。
山岳トンネル工事では、1回の掘削ごとに露出する奥行き1メートル程度のアーチ型の岩盤面にコンクリートを吹き付けて支保部材としている。アームの伸縮動作を自動化した新型吹き付け機は、アームの旋回などに伴い先端部で弧を描くように動こうとするノズルに対し、アームが自動で伸縮する。これによって、ノズルを切羽鏡面から一定の距離にある「仮想の平面上」に保ち続けることができる。
仕上がり面の平滑性など施工品質が向上する。壁面に付着せずに落下するコンクリート(リバウンド)を減らせるため、材料コストを抑制できる。粉じん発生量を減らし、坑内環境を改善する。
従来の吹き付け機は、ノズルを正しい位置から外れないように、素早く手動でアームを伸縮させながら吹き付ける高度な熟練技能が必要だった。今後、トンネル現場で有効性を確認した後、大林組が施工する山岳トンネル工事に積極的に導入していく。
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