秋田・男鹿半島に伝わる「ナマハゲ」など10行事が「来訪神 仮面・仮装の神々」として、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に選ばれた。仮装した人が神の使いとなって地域の家を回る行事で、無病息災などにつながるとされている▼男鹿半島ではナマハゲの後継者不足が深刻化していると聞いた。ナマハゲが回る家々も住民の高齢化が進む。「泣く子はいねが!」と大声で入っていくと、老夫婦から「よく来たな」と歓迎されて苦笑する。そんな光景もあるそうだ▼こうした伝統行事はいったん無くなると、復活が非常に難しい。今回の登録によって国内外で注目が高まり、見に行く人が増えるはず。そのことが世代を超えて継承していく力にもなってほしい▼無形文化遺産への登録で、日本は「伝統建築工匠の技」も提案中だ。木工やかやぶき、左官など14の伝統技術で構成される。歴史的な木造建築物では、時には部材を取り換えながらも一体性を維持し、持続可能性を高めてきた▼伝統技術を文化的観点からも認めていくことは担い手を確保していく上でも重要な視点ではないか。次回の朗報にも期待したい。
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