2018年12月19日水曜日

【こちら人事部】佐藤工業/海外事業と休暇取得推進をPR


 ◇事務系も短期就業体験開始◇

 黒部トンネル(長野県~富山県)や青函トンネル(青森県~北海道)、八甲田トンネル(青森県)など、数多くの歴史的な土木構造物の施工を手掛けてきた佐藤工業は今年で創業156年。トンネル工事を得意とする一方で、近年はゼビオアリーナ仙台(仙台市太白区)、函館アリーナ(北海道函館市)などのアリーナ建築でも着実に実績を上げ、社会のニーズに幅広く応えてきた。

 このほか環境事業に取り組んだり、今夏には海外で新たな拠点を開設したり、多角的な事業展開を図っている。

 会社の発展を支える人材として毎年50人前後の新卒社員を採用している。藤井恒管理本部総務部長は、求める人物像として▽ものづくりに魅力を感じて技術継承の担い手として積極的に取り組む人▽困難から逃げずに果敢にチャレンジする人▽協調性に富み、さまざまな環境に柔軟に対応できる人-の3点を挙げ、「この三つをベースに面接で人物を見極めている」と話す。

 採用活動では、アジア5カ国で展開する海外事業と、休日の取得推進を中心とする働き方改革への取り組みの2点を学生に積極的にPRしている。海外事業の中でも特にシンガポールは40年以上の実績を持つ。こうした実績に着目した学生が「将来的に海外の仕事に挑戦したい」という野心を持って応募するケースは少なくない。

 海外赴任は原則として希望者を募集し、選抜を経て現地で研修として実務に当たり、その後本配置という流れだ。赴任前の社員には海外勤務経験者によるレクチャーを受けさせ、就業時間に会社負担で英会話教室に通えるようにするなど、スムーズな赴任をサポート。海外で活躍したいという社員を後押しする体制を整えている。

 働き方改革の取り組みでは21年度末までの週休2日の定着を目指し、「週2閉所実現部会」を昨年社内で立ち上げた。生産性向上や業務改善で休暇を取得しやすい環境を整えると同時に、誕生日などに有給休暇取得を奨励する「アニバーサリー休暇」を設けて有給休暇の取得促進に取り組む。成果は徐々に現れてきている。別所達三管理本部総務部人材開発課長によると「有給休暇の取得率は年々上昇している」という。

 これらの取り組みに加え、「社員の人柄や明るい社風も当社の魅力のひとつ」と別所課長は強調する。社員に直接会って会社の魅力を知ってもらう機会として、年に複数回の長期・短期インターンシップ(就業体験)を開催する。本年度から開催回数を増加。これまで技術系のみだった短期のインターンシップを事務系でも新たに始める予定だ。

 「採用活動をする中で、近年は『建設をやりたい』という熱意を持った学生が減り、技術系の人材は官公庁やコンサルなどに流れている傾向がある」と藤井部長は指摘する。就職活動中の学生に対しては、「ものづくりの世界は魅力的。インターンシップや会社説明会に足を運んでもらい、当社が掲げるコーポレートメッセージ『建設品質。』を感じ取ってほしい」と呼び掛ける。

 《新卒採用概要》

 【新卒採用者数】 男性40人(うち技術系36人) 女性12人(9人)

 【3年以内離職率】9・1%(15年度新卒)

 【平均勤続年数】 男性18年、女性12年(18年6月末時点)

 【平均年齢】   43・5歳(18年6月末時点)

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